電波を見える化 簡易電界強度計(テレメーターテスター)の作成

今回は医療テレメーターやwifi通信でしっかり電波が出ているか?がわかる簡易電界強度計を自作してみました。

簡単な医療テレメーターのテスターにする事ができます。

 

今回、臨床工学技士標準テキストにのっている様な基本的な回路だけで作成しています。

出来上がったものはコチラ⬇

 DSC_0169

 

 

 

 

制作の実際

人間見えないものは見たくなってしまうどうしようもない生き物です。

チラリズムとかもいっしょね。 😳

 

ことに現代では無線通信をはじめ、人間の目には見えない何かのフォースによって社会生活は便利なものになっております。

たとえば赤外線通信のTVリモコンや無線でインターネットにつながるwifi、様々な機器をPCと接続できるBluetooth、災害時に役立つ防災無線、ラジオや私達にはなじみの無線医療テレメータ、持っていないほうが珍しい携帯電話などです。

 

これらは言うまでもなく電波の力によって通信を行っていますが、どうしても目で見たいんだよ!!

 

どうすれば見れるのか?

 

簡単です。たぶん・・

 

電界強度計と言われるものを利用すればみれます。

 電界強度計・・・お高いっす。

 

 

 

それなら作ってしまいましょう。

 

今回は医療でもおなじみの医療テレメーターが利用する430MHz帯と最近医療分野で利用されるようになったwifi通信の2.4GHz帯と5GHz帯で電波が観測できる簡易電界確認器具を作ってみる事にしました。

今回のコンセプトは臨床工学技士標準テキストにのっている回路で作ってみるという無謀な挑戦をしてみます。

 

まず考えたのは電波をアンテナでキャッチしてそれを整流してLEDを光らせる事。

回路図です。

簡易電界強度計1

 

この回路図はまずアンテナから電波を取り入れ2つのコンデンサと2つのダイオードからなる回路を通してLEDにつながっています。

これはまさに倍電圧回路で臨床工学技士の皆さんは授業で習っています。

倍電圧回路の詳細はこちら

 

ここで使用しているダイオードですが、VFの低い1ss108というダイオードを使用する事にしました。

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このダイオードは通常のダイオードのVFの0.6VとははるかにVFが低く、0.1V〜0.2VのVFしかありません。

ですので微小な電流でもダイオードを通過できて検波できるという事になります。

 

実際にブレッドボードに組んでみました。

動画は出力1wの無線機を用いてテストしています。

無線機のボタンを押すと電波が検波されLEDが点灯しています。

 

この後wifiルーターにも近づけてみましたが残念ながら光りません・・・

wifiルーターの出力は10mW以下なので単純に出力が貧弱という結論に・・

それなら医療テレメーターも10mWの出力なので光るはずもありません

 

そこで考えたのが下の回路図です。

こちらも臨床工学技士標準テキストにのっているオペアンプを用いた非反転増幅回路です。

増幅はトランジスタでもできますが、トランジスタはそもそもベースーエミッタ間で0.6V程度の電圧降下があるので入力がそれ以上ないと増幅できません。

ですのでトランジスタによる増幅は不可能!!

今回は安い汎用のオペアンプであるLM358というオペアンプを利用しました。

簡易電界強度計2

 

LEDの前に電流制限抵抗を入れてますが、無くても10mWの電波の検出する場合はそれほど電流は流れ過ぎず、むしろ明るさが欲しいくらいなので抵抗は無くてもいいかも。

倍率はオペアンプの2番につながっている1KΩと2番と1番につながっている1MΩの比率によてきまります。

 今回の回路での倍率は1+1MΩ/1kΩ で おおよそ1000倍です。

下図は非反転増幅回路の回路図です。標準テキストから抜粋⬇

非反転増幅

増幅率はR1の抵抗とRfの抵抗の比で決まります。

厳密には1+Rf/R1です。

覚えておきましょう。

 

wifiの2.4GHzでも実験しました、医療テレメーターと違ってLEDは点滅を繰り返します。

たぶん医療テレメーターとは変調の仕方が違うからでしょう。

 

 

皆さんもぜひ作ってみてください。面白いです。

あと作ってみて感度がいまいちだという方は1MΩの抵抗を2MΩにして、オペアンプの3番とグランドの間の抵抗1kΩを100kΩ〜1MΩに変えてみてください。

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電波を見える化 簡易電界強度計(テレメーターテスター)の作成 への4件のフィードバック

  1. 杉本 章 のコメント:

    おもちゃ病院のドクターで送信機のチェック機器として製作しました。オペアンプLM358を組込む前は
    感度も良くLEDが点灯し、また、200μAのVUメーターも感知していました。
    より効率的に利用したくオペアンプを組込んだのですが電極が逆になり、電圧も小さくなり利用が困難な状況です。抵抗も何度か変更し確認しましたが改善されません。
    おもちゃ用ラジコン送信機ですので27MHz,40MHz,72MHzで試しております。
    お時間がございましたらご教示頂ければ幸いです。

    • kazurock0926 のコメント:

       杉本様 どうも
      文章から推測ですが、まずオペアンプなしで簡易電界強度計を製作し、ラジコン用チェッカーとしてうまく機能していたと言う事でしょうか?
      それから、効率を上げる為にオペアンプを組み込んだが、うまくいかなくなったということでよろしいでしょうか?
      電極が逆になるというのが少しわからないのですが・・もしよろしければ私のメールアドレス宛に回路の写真を送っていただければ私の稚拙なアドバイスをいくらかできるかもしれません。
       ここで少し予想なのですが、①オペアンプの配線はあっているでしょうか?②抵抗値は間違っていないでしょうか? 
       ラジコンの送信機の出力は結構大きいと思うので正しく組めていたら、多分機能するはずです。
      よろしくお願いいたします。

  2. ja7hlj のコメント:

    突然失礼致します。
    今回、スマホのマイクロ波を検出したいと思い、いろいろ探してこちらにたどり着きました。
    スマホ事業者は、スマホはSARの安全基準をクリアしていると説明していますが、SARの説明は端末一台の場合の事で、狭い電車やバスの中で数台のスマホから集中放射されるマイクロ波の安全評価ではありません。
    そこで実際、電車やバスの中で数台のスマホから集中放射された場合、どのくらいマイクロ波が車中に渦巻いているのかを確認したいと考えています。
    この回路で2.4GHz迄は検出されたようですが、それ以上はどうでしょうか?
    (例えば3GHz~5GHz帯の検出)
    もし、実験されていらっしゃるなら、その結果をぜひ教えていただきたく、よろしくお願いいたします。

  3. ja7hlj のコメント:

    こちらでも早速ブレッドボードに組んでみました。ダイオードは1N60を使い、電源は3Vです。LEDは、赤、黄、緑の3種類で実験しましたが大差はありませんでした。C、R、LM358は記事掲載回路通り。
    結果は、430MHz迄は明るく点灯しましたが、WiFi(5GHz)は無反応。携帯·スマホ(1.7~2GHz帯)も無反応でした。
    LEDの代わりに7mA電流計で実験したら、WiFiでわずかに反応がありましたが、携帯·スマホでは無反応でした。おそらく基地局のアンテナが2~300mのところにあるので端末の出力が絞られているからだろうと思います。
    電源電圧が3Vなのも無反応の原因かもしれません。
    高周波増幅1段を付ければ感度が上がると思いますが、適当な回路と部品がないので実験できていません。

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